18年前


18年前の某日。僕は生まれて初めて人の死に触れた。
死ぬって事がよくわからなかったかもしれない。
いつもそこに居る人が突然消えたのとはちょっと違う。
何年も何回も入退院を繰返し、最後の1年はずっと入院していたから
会うのは病院だったし、何回も入院してるからそんな頻繁に会わないし。
亡くなった事実があっても。なんだかピンとこなかった。
でもその日から不思議なぐらい遊んだ。毎日朝方まで遊んだ。何日も遊んだ。
封印してたものにも手を出した。幻想空間に居るのが心地よく、そして
そこに逃げ込んでいたように・・・・・
ある仲良くしていた友人に
『身内が亡くなってそんなに遊んでるの千ちゃんぐらいだよ!』
と言われた。思えばそれからそいつを俺は大嫌いになったんだ。
その時、毎日朝まで遊んでくれてた友人は、いつも何にも触れず
『お前はこんな時しか遊んでくれねぇからな!』と笑ってた。


父が生きていたら今日で72歳。