辰吉


昨夜のテレビで取り上げられてました。
実に久しぶりに見た。
丁度スパーの映像だった。
驚いた。そして悲しい気分に陥った。
観ていた先輩は
『こりゃダメだわ』と舌を打った。
海外で40overの先週が現役復帰しそれなりに勝利を得る事が出来るのは
階級がそれを可能にしてるからと思う。
殆どがヘビー級の選手である。
そこではスピード・ウェイトの制限をあまり受けない。
でも軽量級となると話は別で、
ハイスピードで技巧を駆使する必要がある。
昨日見た辰吉にはそれがなかった。
そして歴戦の積み重ねによるダメージが多々見え隠れする。
痛々しい場面だった。
名も知れぬ若手選手にダウンを浴び、
そしてTKO負けを喫する。
なんとも言いがたい光景だった。
でも彼はファイターだ。ただ戦いの中に身を置く事でしか生きれないようだ。
これからもそうだろう。
昨日の映像を見てしまったから僕は辰吉をもう応援はできない。
『もういいだろ』と思う。
でも彼はまだ闘うんだろう。
その魂には心を打たれる。燻し銀の輝きが彼にはあるんだ。
正真正銘の戦士だ。

怪我により全盛期が短い選手だったかもしれない。
でも誰より全盛だった。