独の夢


今日は少し早めに帰宅。
いろいろやりたい事もあるんだけど早く寝る事にする。
ドイツに行く夢を見る。
W杯の影響だろうな。


早朝メールが来る。
『ちょっといろいろあってドイツに旅行に行くことになりましたetc』
僕は仕事を休み独りドイツに向かう。
丸一日。彼女を探す。見つからない。
混雑が嫌いな僕だが、わざと異様に混むBARに入る。
カジノをぼーっと眺める。狂々廻るルーレットで酔いが廻る。
ポーカーテーブルで泣き腫らした顔の彼女がいた。
綺麗な彼女らしからぬ様子と出会えた喜びに涙が出た
『こんばんわ』
独な店内で日本語がやけに響いた。
にっこりする彼女。
僕が来るのがわかっていたのか、
僕の彼女への思いは彼女は解っている。
狭いフロアで唇が触れる距離でカクテルを飲む
でも、彼女は明日彼の元へ戻るらしい。
開いた席に座り朝まで話す。
この時間は現実と同調していた。
帰りを空港で見送る。
僕は独にいる。ゲートをすぎる彼女を見送る。
また涙が溢れた。
一緒に帰らないのはけじめ・区切りであったようだ
笑顔で手を振る彼女が僕の様子に気付く
俯き涙を拭う。ふっと前を見ると彼女の姿が消えていた
独り帰路につく・・
エスカレータを降りる。と、下で彼女が
笑顔で両手を広げ僕を迎える
『帰るの止めた!』
強く抱き合う僕らはレンタカーを借り
どこまでも走る。寄り添い手を握り・・


目が覚めた僕はまだ独にいる。孤独の中にいた・・・