痴呆日記


爺『ありゃ〜このやろまた捕まったど』
婆『だれだ〜?』
爺『ほれ。あの〜アメリカでよ。嫁さん殺っちまった男だ〜』
婆『あれ?嫁っこ殺っちまっただかや?なしてだ?』
爺『あれだ。ほれ、保険目当てだよ』
婆『年金け?』
爺『んだよ〜。年金欲しさだ〜』
婆『嫁っこ死ぬと年金出るんかや?最近の年金てのは良くわかんねぇなぁ』
爺『んだよ、なんでもかんでも年金問題だもの〜』
婆『それで殺していくら貰えんだべ?』
爺『10万は下らね〜べなぁ』
婆『10万もかや?国もなんだかんだて考えてんだな』
爺『んだよ〜オリンピクも近いからなぁ〜』
婆『関係あんのけ?』
爺『あるよ〜。見栄っちゅうもんだな』
婆『見栄っぱりだなや〜』
爺『男は皆見栄っ張りなんだ〜』
婆『んだな』
爺『んだよ』
婆『んで、なして捕まっちまったんだべ?』
爺『あぁこの男かや?』
婆『あれだべ〜今はやりの未納問題でねぇが?』
爺『不正受給だぁ。わしはそう睨んじょる』
婆『爺さんの勘は当るからなぁ』
爺『払ってねぇのに、嫁っこ死んだからって貰おうとしてんだ』
婆『悪い男もいるもんだなや』
爺『いるんだ〜』
婆『わしらもよ、ちゃんとは払わんとなぁ。いざって時によ』
爺『んだよ〜貰えんくなる〜』
婆『万が一のときはな』
爺『婆さんちゃんと払ってんだべ〜?』
婆『払ってんよ〜毎月』
爺『アレだで〜ちゃんと領収書取っとかなきゃな』
婆『爺さんよ。今はなレシートってのでいいんだと』
爺『あんがよ?そりゃ?』
婆『あのよ。振り込んだときでる紙だ〜』
爺『あぁ〜アレだべ?あの感熱紙だべ〜?』
婆『感熱紙言うんだかや?』
爺『んだよ。昔はな〜』
婆『爺さん詳しいからな〜』
爺『いろいろ経験はしたからよ〜』
婆『こりゃ惚れ直す〜』
爺『なんもだ〜』
婆『そういやよ、昨日テレビ局の人きたで』
爺『テレビ?取材かや?』
婆『なんでもよ、テレビが見れなくなんだと』
爺『このテレビ買って何年経つかや?』
婆『あ〜かれこれ25年にはなるべ?』
爺『んなもんだな』
婆『あれかや?テレビの人ってのは何年使ったかわかるんだべかい?』
爺『それが仕事だものよ〜やつらの〜』
婆『ほかや?』
爺『んだぁ〜分かるんだよ〜あいつらには』
婆『電波でかや?』
爺『んだよ。全部繋がっとるんだで』
婆『あいやぁ〜筒抜けかや?』
爺『んだよ〜あいつらにはな〜』
婆『んでよ。そのテレビの人がな、いいの紹介してくれってんだよ』
爺『おぅおぅ。イイ奴かい〜?のせられんなや〜』
婆『局長さんだで〜』
爺『局長かや?んじゃ信用できるなや』
婆『んだよ。わしも簡単にはひっかかんねぇ〜』
爺『であれかや?買い換えろってかや?』
婆『んだんだ。なんでもよ、14ピンチのテレビが15万だと』
爺『14ピンチたら相当でかいで〜』
婆『だども、わしらもう年だべ〜』
爺『まぁなぁ確かに今のじゃちょっとみづれえもんな』
婆『局長だもの〜そこも考えてくれてんだ〜』
爺『優秀な男じゃな』
婆『んでな、この紙のとこによ15万振り込んだらいいて』
爺『見せてみ〜』
婆『三浦さんって人だと』
爺『三浦局長かや?』
婆『んだ』
爺『ま、これなら大丈夫だなや。ここまで書いてんだもの』
婆『間違いないよ〜』
爺『んでテレビはどうするて?』
婆『あ、何でもよ振込み確認したらすぐ届けてくれるってよ』
爺『デリバリ言う奴だな』
婆『デリバリ?』
爺『最近は当たり前だでよ』
婆『ほかや?んじゃ何の心配もいらんわな』
爺『便利な世の中だ〜』
婆『んじゃよ。局長さんには爺さんの許可もらったらって言ってっからよ』
爺『そりゃそうだ〜何でも聞けぇ〜』
婆『さっそく振り込んでくるからや』
爺『わしも行くかえ?』
婆『いやぁ、わし一人でいく〜』
爺『感熱紙忘れんなよぉ〜』


長いて・・・