今日は


なんとなく北の公園を歩く。
今日は予定通りの寒さで本当はこれが日常なんだなって
最近の暖かさにむしろ嫌悪感すら覚えてみる。
昔あった子供の銅像はもういつのまにか取り壊されていて
こうやって僕を育てた景色は少しずつ無くなっていく。
その分思い出が増えるんだからいいのかもしれないけど。
足をちょっと伸ばし地元では大き目のスーパーに行く。
ここにだってたくさんの思い出はあるんだけど外観ぐらいしか
もうあの頃のままのものは無いに等しい。
毎日通ったおもちゃ屋。市場だった場所。毎日のように食べた
うどん屋。金もないのに通いつめたゲーセン・・・
懐かしさを振り絞って歩くと遠くに視線を感じる。
イマイチ合わないコンタクトのせいで良く見えない。
それは小さな女の子のようだった。
もう一人。その子より大きな男の子もいる。兄妹か。
今はあるはずの無いおもちゃ屋でかくれんぼでもしているように
二人は追いかけあい、笑っていつしか手を繋いで外へ消えた。
小さい頃の僕だった。
たくさんの風を受けて飛び立てるのんじゃないかって思えるほど
遠くを見てすこし背伸びして自分の小ささにちょっと涙した
あの頃の僕がいた。
汗をかいて精一杯走って僕は家路を急いだ。
あの頃の僕に追いつけば見つかるかもしれない何かを求め
そして。息が切れたとき。
僕は思うんだ。今のままでも悪くないんだって。
だからゆっくり歩こう。風に吹かれて。あの鉄塔に向かって。


とまぁ。エイプリールフールなので妄想話でした。
あっ。妄想は関係ないか・・・・