玩具


てなわけで以前の没作品


昨夜は若干の遠出に加えて相変わらずの雨
更には帰宅後の味の良い安ワインに浸りつつ
気付いたらソファに持たれて寝ていたようだ。
『っ痛ぅ・・』
二日酔いの症状の原因は安ワインではなく
その間に一杯だけ飲んだトリスが原因だろう。
どうせ今日も休みだし、キレタ頭に補充するか。
と、酒を探す。
『なぁ、酒なかったか?』
見つかるのは空き缶と空き瓶だけ。
頼みの綱のトリスすらシンクに全て流れていた。
ぐしゃぐしゃのままの頭に帽子を被り
コンビニに向かう。
ジンとロックアイスを買い行きの2倍の速度で帰る。
『ただいま・・』
俺は被っていた帽子を取りフリスビーのように投げ
彼女の頭に乗せた。
帽子はすぐに、床に置ちた。
11時25分
1杯目のジンロックを飲む。
微かに震えている手に心なしか感覚が戻る。
その手を注視するとひどく滑稽で僕はジンを少し溢す。
徐徐に酒が徊り熱くなった顔を頬にあてた
ロックグラスで冷やす。
少し目を閉じると酔いを感じる。
と、その時ふと彼女がとても近くにいるように感じた。
一点を見つめる彼女。
僕はその彼女のぼくより冷たい頬にキスをする
『・・たのむよ・・』
僕は彼女の耳元でそう囁くと
口にジンを含み彼女の口に移した。
ジンは彼女の開いた口から流れ落ちる。
僕は顔より熱を持ったモノを彼女に乱暴に与える。
彼女の口の中で濡れたジンが熱を増長しさらに
吐息すら熱くなる。
独り激しく揺れる僕
彼女の髪を掴みながら僕は痙攣した。
乱れた呼吸の中、飲みかけのジンを氷ごと口に入れ飲み干す。
僕は彼女の口から流れ出たアレを指で拭い
彼女を浴室に連れていきシャワーで洗う。
同時に少し萎んだ彼女に息吹を吹き込んだ。
顔と口だけを洗い拭いてあげる。
僕は彼女を脇に抱き、いつもの場所に座らせ
いつもとは違うように帽子を被せた。
『似合ってるよ・・』
その時、彼女が本当の妻に見えた。
ちょっとだけ笑ったように見えた。
僕はまたジンをグラスに注いだ。
動かない彼女を見つめ。




例のごとく何の話なのか解らない方はご一報下さい。
ですこにも注意されました。