なんだちみは?


不思議な男が面接にきた。
デンマーク出身の彼は誰がどう見てもやはり外人さんだ。
そんな彼がなぜ当社のような企業を選んだかはわからないが
とにかく彼は朝一で履歴書持参で突然現れた。
『な、なんだちみは?』
と、突然の来訪者にさすがに所長も同様していた。
唖然とする一同に巨漢のD(デンマークの意)は
下手糞な笑みを浮かべ所長に履歴書を渡す。
一緒に何やら書かれたメモも。
メモにはこう書いてある、
『にほんご、じはよめます
 けんせつぎょうむけいけんほうふ
 にほんにはなれてる』

解読にこれほど時間がかかる字を読むのは
久しぶりだが履歴書はさらに酷い。
名前と住所は外国語。
職歴の欄は丁寧に一列追加し『国』と書いてあり、
数種類ある職歴のほぼ全部に『デンマーク』とかいていた。
それはDの日本での経験の無さを物語っていた。
一つだけ『にほん』と書かれた職歴は
【けんせつげんば】
と書いてあり期間は3ケ月だった。
『けいけんほうふ』じゃねぇだろ
誰かか驚きと笑いの中間のような言い方で言った。
『日本での仕事少なっ』
また誰かが今度は嘲りと冷やかしの間で言う。
備考欄に書かれた
『自身のHP有り』
と云う文字だけがやけにキレイだ。
突然皆に握手を求める彼。
『もんだいないよ〜』
なんとかなると思ってるDの自信に満ちた
ちょっと赤味がさした顔がやけに印象的だ・・


と、ここで目が醒めた。
思い出すかのように一気に語ると爆笑した。
でも不思議なもので
書くとやっぱり面白くはないんだなぁ。


はい。夢の話ですよ。